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床にうずくまって
小さくうめき続けるカルデ=ラのそばにたって
僕は息を整えて、尋ねた。
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃないわよ!右前腕筋が破裂した…!」
確かに彼女の右腕の肘から手首にかけて筋組織が赤く破裂して、前腕骨が白く露出していた。
しかし僕は安堵して、言った。
「臓器に影響がなくて良かった。単純組織だから、調整液に浸かれば修復される。」
「この野郎!人の腕だと思って…」
「止まってもらうために仕方なかった。」
「止めないでよ!アルテ=マが行っちゃうじゃない。」
「…もう、調整局に行ってしまったよ。
搬送カプセルは、もう、でた。
それに…僕にさえ勝てない弱い君が、
搬送カプセルはとめられない、
かえって君が、不良品として調整局送りに、なる。」
「畜生、ちく…しょう…」
彼女は歯をくいしばってずっとその言葉を吐き続けた。
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