こねちゃいけない駄々もある

4/16
前へ
/16ページ
次へ
床にうずくまって 小さくうめき続けるカルデ=ラのそばにたって 僕は息を整えて、尋ねた。 「大丈夫か?」 「大丈夫じゃないわよ!右前腕筋が破裂した…!」 確かに彼女の右腕の肘から手首にかけて筋組織が赤く破裂して、前腕骨が白く露出していた。 しかし僕は安堵して、言った。 「臓器に影響がなくて良かった。単純組織だから、調整液に浸かれば修復される。」 「この野郎!人の腕だと思って…」 「止まってもらうために仕方なかった。」 「止めないでよ!アルテ=マが行っちゃうじゃない。」 「…もう、調整局に行ってしまったよ。 搬送カプセルは、もう、でた。 それに…僕にさえ勝てない弱い君が、 搬送カプセルはとめられない、 かえって君が、不良品として調整局送りに、なる。」 「畜生、ちく…しょう…」 彼女は歯をくいしばってずっとその言葉を吐き続けた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加