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『所長、起きてください。』
ソファーで気持ち良く寝ている俺を…秘書の冴子が揺する。
俺は起きるのが面倒臭く…狸寝入りを決めこんでいた。
『ふ~ん、起きないんだ?』
なんか…雲行きが……
『今日は暑いから脱いじゃおっかな?』
少し後に、服を脱ぐ…きぬ擦れの音がした。
俺は態勢を変え、半目を開け見ようとした。
その俺の目の前に…冴子の顔があった。
『所長!起きているじゃないですか!お仕事ですよ!』
やられた、俺の性格を読んでいやがる…
『さ、所長、早く目を醒ましてください』
俺は面倒臭げに起きた。
俺の名前は夢幻恭二…表の顔は探偵だ。
ここ春海市中央区で、探偵を生業として生活している。
あくまでも表の顔だがな。
『で、今日の依頼は?』
俺は助手の冴子に聞いた。
彼女は有能な助手で、しかも美人だ。
一時、一部上場している総合商社に在籍していたんだが…
今は何故か俺の事務所に居る。
『はい、三丁目の田中さんの猫が…』
『………………………』
俺は沈黙した。
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