序章…俺の日常

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俺はペットの捜し屋じゃねぇ! なんて言いたかったが… 黙りこんだ俺の顔を… 冴子がじっと見つめていた。 『所長…今月も赤字なんですけど?』 冴子の声のトーンが低くなった。 『……………………………』 『事務所の家賃どころか…光熱費も…』 『………………………………』 『後…私のお給料も…』 『わ、解りました!い、行ってきます!』 俺は出る支度をした。 『じゃあ所長、頑張ってきて下さいね♪』 冴子の声がいつもの優しいトーンに戻った。 俺は引きつった笑顔を見せて、事務所を出た。 これじゃ松田勇作じゃなくて… 土サスの船越栄一郎だぜ… 俺は松田勇作のファンだ。 あ~っ! 裏仕事の依頼でもあったらな…
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