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第一章 しんや登場
春、うららかな春。
僕は緊張と共に中学の入学式に望んだ。
「森乃浦 拓郎」
校長先生の呼び声が体育館中に響き渡り、僕はこう答えた。
「はい」と。
僕は期待と希望と情熱を胸に式を終えた体育館を後にした。
教室に入ると、流石に初日だけあってみんな静かだった。
ハズだった…。
僕が「そいつ」の存在にきずくのに、教室に入ってから二秒もかからなかった。
耳障りな声の割に体が小さく、目は細く、しかも出っ歯と来た。
見た途端に「こ、こいつは…」と腰が抜けそうになった程だ。
そいつとの出会いこそ、後に僕が体感するワンダフルライフの始まりであった。
そう。「しんや」との出会いがね……
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