第二章 しんやの歌声

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第二章 しんやの歌声

し「だんだん心ひか~れて~くぅ~自分でも不思議なく・ら・い・に~何かあるとすーぐに君に電話したくーなるー」   この歌はドラゴンボールGTのOPだ。  僕が初めてシンヤの歌を聞いたのがこの曲でもある。   だからその分衝撃も大きかった… 何にかって?            アイツの度胸にだ。  説明しておくが、アイツの声はドラえもんを凌駕する程のダミ声であり、更に物凄くかつぜつが悪い。   そんな男が歌を歌ったらどうなるか?   普通なら恥ずかしくて歌何て歌えるはずがない。   だかあいつは歌った。 学校の登下校中、部活中、授業中、駅のホーム、電車の中…ありとあらゆる場所でアイツは歌った。  そう。まるで自分が国民的大スターが如く。   みんなが自分の歌声を聞きたいとでも思っていたのだろうか?   はたまた自分の歌で世界が救えるとでも?   僕は言ってやった。                   僕「お前歌うまっ⁉まるで国民的大スターみたい❗」   シンヤは浮かれた。  僕の言葉を信じ、鵜呑みにし、自信をつけた。   しんや「もう誰にも俺は止められねーぜぇ❗」   今となってはアイツのこの言葉をもう一度聞きたいものだが…それは無理なんだ。
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