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「し、不知火くん……そんなに見られると……恥ずかしい……」
「うおっ、すす、すまん!!」
慌てて視線をそらして頭を下げる。
「そ、そんな謝らないで……」
深々と頭を下げる俺の前に立ち、頭を上げさせる若葉。
ぬりかべの格好をしたまま、頭を下げ続けるのは、さすがに辛くなってきた為、若葉の許しも得た事だし、頭を上げる俺。
「よっこらせっと……」
勢いを付けて、頭を思い切り上げた瞬間だった。
俺の目の前に立っていた若葉のスカートが、ぬりかべの角に引っ掛かっていた為、起き上がった勢いも合わさって、捲り上がる。
「おぉ!!」
目の前に広がる純白のヒラヒラ。
「えっ……」
何が起きたか理解出来ていない若葉。
足元を過ぎ去る涼しい風に視線を落とし、自分の今ある現状に気付き、慌ててスカートを押さえる。
目の前に広がっていた純白のヒラヒラはシャットアウトされ、若葉の顔を見る為、俺は恐る恐る視線を上げた。
瞳にうっすら涙を浮かべ、首から頭の先、耳まで真っ赤にしている若葉。
「……見た?……」
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