文化祭を楽しもう!

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俺の意志とは関係なく、ドンドン近づく厚揚げ。 「し、不知火くん……あ~ん……はうっ……」 恥ずかしさの頂点に達したのか、俺から顔を逸らし、目を閉じる若葉。 「若葉、こっち見てぇ……うあっちぃ~」 アツアツの厚揚げが俺の頬に押しあてられる。 「ご、ごめんなさい……」 慌て厚揚げを皿に戻し、ポケットから取り出したハンカチで、俺の頬を拭いてくれる若葉。 「だ、大丈夫だから、若葉……」 「でもでも……」 今にも泣き出しそうになっている。 「若葉、本当に大丈夫だから、それより時間が……」 「えっ……う、うん」 ふぅ~、やっと理解してくれた…… 「あっ、そうそう、言い忘れてたけど、おでんはどれもアツアツだから、冷ましてから食べさせてもいいよ♪」 妹よ……そう言う事は最初に言えよ…… 「よし、そう言う事だから……若葉、冷ましてくれ」 「うん、わかった……」 ふぅふぅと厚揚げに息を吹き掛け冷ましてから、再び俺に食べさせる若葉。 若葉のふぅふぅが効いたのか、さっきよりかは熱くない。
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