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選んだシュークリームを持ち上げ、再び俺のもとへ近付ける若葉。
「それじゃ、いくよ……」
「おう、どんとこい!」
俺にシュークリームを食べさせる為、一旦止めた手を動かすが……
「若葉、そこは……鼻だ……」
やはり見えない為に口には辿り着かなかった。
「ご、ごめんなさい……」
「いや、大丈……」
大丈夫と言おうと思った瞬間だった。
俺の鼻にこの世のものとは思えない痛みが走る。
辛子入りかよぉ!!
「いてぇ!! は、鼻ぐぁ!!」
あまりの痛みに手で拭おうとするが、縛られたている為に拭えない。
「不知火くん! どうしたの?」
「か、辛子が鼻に……」
「ごめんなさい……」
「あはは、ハズレを引いちゃったね、ほら頑張って食べないと終わらないよぉ♪」
ちくしょ……こんなの食える訳ねぇよ……
「不知火くん……無理しないで……」
背中越しに俺を気遣う若葉の声が聞こえる。
ギブアップしたほうが楽かもしれないが……
「いや、大丈夫だ……若葉、もう一度頼む……」
「えっ、いいの……」
「あぁ……何とか……」
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