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青くすんだ空。
雲ひとつ無く、まさに絶好の洗濯びよりだ。
その証拠に、たくさんの家で洗濯物が舞っている。
かくいうアクアもそれに習うように、白いシーツを干していた。
「いい天気ね~」
青空を見上げながらそうつぶやく。
今まではできないことだった。
アクアは視線を空から地上にうつす。だいぶ片付いたほうだがまだ、家の崩れたところや、爆弾でできた瓦礫が道端に積んであったりする。
最近まで、戦争が起きていた証だ。
つい数週間前まで、アクアのいる国は隣国と戦争をしていた。
が、平和調停を結び、戦争は終戦をむかえた。
ついこの間まで、生きることに必死だった。今では、後片付けに必死だが。
自分の考えに、アクアは思わず笑った。
『必ず帰って来るよ。』
ふいに頭に声が響いた。
愛しい人の声が。
「ジーク~!!早く帰って来て~~~~~!!」
青空に向かって、アクアは叫んだ。
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