吹奏楽部物語 第2楽章

♭1『公園で』

因みに僕達は2年生で、これが中学生活最後のアンコンとなる……。

何故なら、来年のこの時期には部活を卒部しているからである。

2年生は最後のアンコンというだけあって、出来るだけ良い成績を残したいと思う人は多いだろう。

僕もそう思っているうちの1人である。

でも、1年生の中には『来年があるからいっか。』とか思って、本気で取り組もうとしなくなる人も現れるだろう。

そういう1年生がチームの中で出来てしまって、やる気のある人は居るのにチームが上手く行かなくなったりすることがある。

だから、僕的にはチームでそういう温度差を作らないようにしたいと思う。

そんなとき……

｢俺的にさ、校内予選ではサックスと木5とパーカッションが強敵だと思うんだけど……。｣

優樹はこう言った。

僕は校内予選という壁があることをすっかり忘れていた。

僕達が地区大会のステージを踏むためにはまず、校内予選という壁を突破しなければならない。

そうじゃなきゃ、良い成績を残す所か最後のアンコンは出場チームのサポートをしましたってだけの物になってしまう。

折角、ステージに乗ることの出来るチャンスだ。

僕は無駄にはしたくない。