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「ねぇ、まだ俺のことあだ名で呼んでくれないの?」
そのときのぞ以外はみんな"しぃ"とか"ヒロ"とか、まぁ男子は"弘樹"とか。
とりあえず、椎葉君なんて誰も呼んでなかった。
男子が苦手なのぞはしぃの勢いにやや怯えた様子だ。
「だ、だってそんなに仲良くないから……」
「そんなのいいからさ。あだ名で呼んでよ。椎葉くんとか、堅っ苦しいじゃん?」
「え…なんで……」
怯えから迷惑そうな表情になった。
ま、のぞの反応はもっともだ。
けどしぃは退かなかった。
「呼ばないんなら、希望って呼ぶよ?」
……呼び捨て?
「はぁ?!」
いま思えばはじめから言い合いをしていたんだな。
それから昼休みいっぱい言い合いを続けた結果……
「わかったよ…もう……」
のぞが折れた。
それからのぞは男子で唯一、しぃのことだけはあだ名で呼ぶようになった。
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