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き す の あ と 。
鏡が来てから、ちょうど1ヶ月がたった。あっと言う間で一日一日がこんなにも短く感じたのは初めだった。「ねぇ…鏡?なんで今日そんなに元気ないの?」すると、鏡はあたしの額に人差し指をあてて、こう言った。「私は貴様の中に居る。ずっとだ、、そして貴様の命絶つまで私は…かがみを愛すと誓おう‥。」
「なっなによ!いきなり!死ぬみたいな言い方止めてよ」何となく分かっていた。何となく感じていた。鏡がいつか消えてしまうんじゃないかって。で、でも気付きたくなかった…「かがみ?かがみが自分を愛せるまで私は、かがみを愛そうと思っていた。しかし、もう…かがみは自分をちゃんと愛している。だから…」とっさに鏡の言葉を遮った。
「そんな事どうても良いよ…あたしは鏡が大好きなの!なんで、今じゃなくちゃいけないのよ、、、」しばらく沈黙が続いた…当たり前になってきていた幸せが、また無くなる…「かがみ…こっちきてくれる?」
―――――コクリ。
小さく頷き鏡に寄り添った。「な゙…に゙…?」鼻水と涙でグチャグチャになる。「いい?一つだけ約束してくれ。もうこれからは愛してくれ。自分を…分かったかい?」「分…が…っだ…」「じゃあ、約束、、」
鏡はあたしに、ゆっくりキスをして消えて行った。あたしの中に
鏡の中には、あたしが映っていて、鏡ではなかった。
そして、ほんのり、残るキスの跡が涙を誘う。
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