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コンコンッ
「失礼します、山田です。葛城を連れてきました」
彼はそう言うと学長室の中へと私を入れる。
学長室に入ると、目の前に大きく立派な机があり、その向こう側に優しそうな笑みを顔に張り付けている学長が座っている。
私は学長に一礼をする。
「すまないね、もう下校時間だというのに呼び出してしまって」
学長が気遣うようにそう言う。
悪いと思うなら呼び出さないでよ……
私はそう心で思ったがそれを顔に出すことはなくただ首を横に振る。
「いいえ、大丈夫です」
「そうかい、そう言ってもらえると助かるよ。まぁ、立ち話もなんだからそこに腰掛けなさい」
学長が来客用のソファーを指さして言う。私は素直にそれに従う。その横に山田が座る。
「えーっとですね……」
そう言いながら学長が私の前に腰掛ける。
「この間のシュミレーション体験はどうでした?」
「えっ?」
いきなり何を言い出すのかと私は目を丸くして額等の顔を凝視する。
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