真央

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 ガラガラッ  ボーッと窓の外を見ていた僕は教室の戸が開く音でハッとする。見ると、未央が戻ってきたようだった。 「おかえり、未央。話って何だったの?」  僕の問いに未央はビクッとして僕の顔を凝視する。 「……? 未央?」  未央の様子がおかしい。  僕は未央のそばまで行くと顔を覗き込む。 「どうしたの、未央」  僕の声に未央は再びビクリと体を震わせると慌てて笑顔を作る。 「な、何でもないよ! さっ、帰ろ?」  未央はぎこちない笑みを浮かべながら自分の鞄を取りに行く。
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