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「未央? 何かあったんじゃないの?」
「何にもないよー」
僕の問いかけに未央はシラを切る。
これ以上何を聞いても無駄だと僕は思った。
自分から言ってこない限り未央は何があったのか教えてくれないだろう。
そう、生まれた時より一緒にいる僕にでさえも。
僕は問いかけるのを諦めると、未央と同じように鞄を取りに未央の席に行く。
「じゃ、帰ろうか?」
「うん、もう私おなかペコペコ」
ふざけた様に未央がお腹を押さえながら言うが、その顔にはやはりぎこちない笑みが張り付いていた。
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