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第一章 別の世界
そこには一本の木があり、ざわざわっというそよ風により、一枚の木の葉が舞う。
その瞬間、一陣の風が木の葉を襲う。
だが、木の葉はそれをヒラリとかわす。
間髪入れずにもう一陣が襲い、さらにもう一陣、さらに一陣。
だけど、それら全て木の葉はヒラリとよけ、無事に地面に着地する。
「だぁーー!くそっ!!」
ドゴォーン。という地響きが鳴った。その先には、赤髪の少年が悔しそうに地団駄を踏んでいる。
少年の隣には、地響きの原因になったであろう巨大な物体?否、巨大な剣が地面に突き刺さっており、地響きだけではなく、木の葉を襲った風もまた、この巨大な剣である。
「ほっほっほ、まだまだじゃのう。クラークちゃんよ!!」
クラークと呼ばれた少年の傍らには、黒いローブで身を包んだ白髪、白髭の老人がいかにも少年をバカにするように指を差しながら、爆笑している。
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