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ここはとある街のとある学校。
学校は小高い丘の上に建てられ、学校からは街を一望できる。特に屋上からは街だけでなく、近くにある海を見ることもでき、その景色はとてもきれいだと評判である。
そんな、学校の屋上。
風が吹き、屋上に立っている少年の黒髪がなびく。
少年「………………」
少年はただただ、じっと景色を眺めている。景色を眺めるその瞳は、髪と同じく黒い瞳をしており、普通の人と違うところは、瞳に輝きがないことであろう。
少年は全てに絶望した者。全てをあきらめた者。
だからなのか、その瞳の輝きはうせ、深い闇すら感じる。
少年「もう……つかれたな」
一人ごちた少年の顔には、自嘲気味に笑みが浮かんでいる。
少年は、ぼそぼそと「もういいか」というと、
あと、一歩で屋上から落ちてしまう場所から、その一歩を踏み出した。
その時、
快晴であるはずのその場に突然、雷が落ち、扉が現れた…………。
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