始まりとはいつも唐突に

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「ここまで来れば大丈夫かな。じゃ改めて久しぶりレクサス」 カイは先程から少し離れた場所で立ち止まり、レクサスを見た。 「お前……。本当にカイだよな? カイが敬語を使うとこなんて初めて見たぜ。それに一人称が「僕」になってるしさ」 レクサスはカイをまじまじと見る。 「僕にも色々有るんだよ。昔の事も有るからね」 カイは悲しげな笑みを浮かべた。 それを見たレクサスはなる程と頷いた。 「……お前の事だから昔に立ち戻らないようにするためとでも言いたいんだろ? 根本的な事は変わってないみたいだな」 「流石はレクサス。分かってるよ。でもさ往来のど真ん中で口論するのは止めようよ。恥ずかしいったらありゃしない」 カイは小さく溜め息をついた。 「仕方ないだろ? あのデブがぶつかってきたんだからな」 レクサスはそう言って肩をすくめた。 「ああいうのを相手にしちゃ駄目だよ。まだ貴族が偉いって思ってる奴にろくな奴はいないんだから」 カイは咎めるような目つきでレクサスを見る。
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