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店内に客はまばらだった。朝食をとるような時間ではなく、はたまた昼食には早い、中途半端な時間であるためだ。 店にいるのは僕のように起きるのが遅かった者だけだ。 カウンター席で苦い液体をすすっていると、隣に見覚えのある人間が腰掛けた。 「マスター……コーヒー、もらえますか」 彼は沈んだ声で注文した。何か嫌なことでもあったのだろうか。随分落ち込んでいるように見えた。
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