好き嫌いゲーム

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 好き嫌いゲーム 「好き」 「嫌い」 「名前で呼んでいい?」 「イヤ」 「つれないね」 「お黙んなさい」 「いいじゃん、ね?藤中円香(マドカ)ちゃん?」 「やめてちょうだい」 「藤中ぁ」 「別にいいじゃない、名字で」 「嫌だよ」 「なんで」 「好きだから」 「女の子がでしょ」 「藤中が、だよ」 「誰にでも言う」 「あれは意味が違う、ライクだもん。藤中はラブ」 「やめて」 「少しは信じてよ」 「信用できない理由を作ってるのはそっちょ?」 「……ごもっとも、だけど、それは価値観の相違によるちょっとした誤解だよ。たぶん」 「そもそも、価値観の違う人とは気が合わないわ。あんまり話し掛けないで」 「円香」 「やめて」 「……俺は最初から藤中しか見てないんだけどな」 「そうは見えないゎ」 「本当なのに」 「………」 「藤中、せめて相槌を」 「もうなんなの………」 「……。…うんざり?」 「……急にしょぼんてするのやめてくれる?私が悪いみたい」 「藤中のせいだよ?どうしてわかってくれないんだろう?」 「さぁ、どうしてかしらね」 「好きだから、ただ円香って呼びたいだけなのに」 「ただ軟派なだけでしょう」 「違う、って何度言わせれば信じてくれるんだろうね。傷付かないとでも思ってる?」 「じゃぁ、行動を改めることね」 「いいよ。そうしたら、信じてくれる?」 「そうね」
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