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今日は12月24日、クリスマスイブだ。
キリスト教の行事だとはいっても、私達は外の世界の人々と同じようにそれを祝う。
街は今、恋人達で賑わっていた。
色々な場所から彼女等の楽しそうな声や笑い声、幸せそうな声が聞こえてくる
「………はぁ」
溜息をつく。
真っ白な息が空を漂い消えていく
時刻は午後11:00。あと1時間程でクリスマスだ。
プレゼントを用意した大人達や、サンタさんを見ようと必死に起きている子供達など、色々な人達が様々な事をしているだろう
私は
「もしかしたら彼女が来てくれるのでは」
という思いでただずっと待っている
…もう待ち始めて2時間が経った。
体は冷え切って指先の感覚はもう無くなっている
コートについた雪はもう溶けだしてジメジメし、とても着心地が悪い
連れてきた上海人形も寒そうに私の肩で縮こまっている
「私のわがままの為に……ごめんね、寒い思いさせちゃって…」
私はそう言って厚手のハンカチを上海にかけてあげた
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