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ガラガラ-
「「「ただいま」」」
3つのただいまがいっぺんに聞こえてきた。
「いや~、そこでヒビキくんたちとあっちゃってね。一緒に帰ってきたよ」
「お帰りなさいませ、父上。今日はお客様がお見えですよ」
「おじゃましてます」
「ご無沙汰してます」
「あれ~華也くんは珍しいね。おっコウキ!ちょうどいいところに来た。君の独り立ちの手続きをしてきたよ。このまま関東支部の所属だ」
おぉついに俺も…
「よろしくなコウキ」
シュッと例のポーズで出てきたヒビキさん。
「いや~思い出すなぁ。俺の独り立ちは急遽だったな~」
トドロキさん今日も元気がいい。
「負けないからな」
キョウキさんも相変わらずだが祝福してくれてるんだな。
「華也くんもそろそろ襲名なんじゃない?」
気を遣ったのかおやっさんがそう尋ねた。
「えぇ。実は今日そのことで伺ったんです」
「なるほど…。確かに今回の会議には加賀美家の襲名の話しもでてたけど…。でも本家は北陸支部だろ?」
「そうなんですけど、じつはコウキのことで。襲名式の助役としてそちらのコウキを貸していただけませんか?」
そういうことか。わざわざ筋を通すとは。ちょっと見直したかな。
「ふぅん。そういうことだったのか。でもなんでわざわざ?」
「まぁきっとコウキは関東支部に所属すると思ってましたから。それと襲名の心構えを宗家のイブキさんに教えてもらいたくて…」
「なるほど。ならウチのイブキも貸そう」
「ありがとうございます」
華也は深々と頭を下げた。
コウキは意外と事が重大であることを感じた。
「ヒビキさんはイブキさんの襲名のとき太鼓を叩いたんですよね?」
「あぁそうだよ」
「俺の太鼓の指導をしてください」
何故かはわからん。本家のためなど一度も考えたこともないが、華也の態度に胸打たれるものがあった。
「なにせ襲名式だからな。甘くはしないぞ」
「ヒビキさん俺も付き合いますよ」
「キョウキさん…」
「勘違いすんなよ。同じ関東支部の太鼓使いがなめられるのはごめんだからな」
三人の胸の奥が熱いなにかが燃え始めたときだった。
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