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「ところで今日はなんの用です?お金は貸しませんよ。あなたに貸すと返ってこない」
「そんなこと言うなっていつか返すから。とりあえずはほれ」
とコーヒーを出してきた。
「おまえが猛士に入って何年になる?」
「さぁ2~3年じゃないすか」
「おまえはもう変身できて独り立ちしているな」
「えぇ。あなたもはやくしたらどうです」
ちょっと皮肉ってやった。
「実はそのことなんだ」
「え!?」
皮肉が通じないのは最大の皮肉だよな…
「この度おれは襲名することになった。襲名式は知っているな?それをやる」
「よかったすね。でそれと俺どう関係が?」
「襲名式には助役が必要だよな。しかも太鼓の」
………嫌な予感がする。いやめんどくさい…
「別に太鼓は俺以外いるじゃないですか。それこそ本家に鬼はいなくても本家筋に…」
「俺とおまえだけだ」
「へっ?」
「正確には若人衆は俺とおまえだけだが」
「…何故俺?」
「親父が信頼してるならだれでもいいっていってるしな」
俺は別におまえを信頼しちゃいないんだけどな。
「とりあえずせっかく関東まできてんだ“たちばな”いくぞ」
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