第一章 名家

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ブゥウンブゥウン-- 外からバイクの音が聞こえた。 「こんにち…、っわ!!どうしたの!」 こっちがどうしたのって聞きたいぐらいの驚きようだ。 「あぁイブキくんお帰り。実はね華也くんが近々襲名するんだ。それで宗家の君を尋ねにきたみたいなんだけど、いろいろ世話してあげられないかな?」 「あぁそういうことですか。わかりました僕でよろしければ」 「お願いします!是非お話なども聞かせてください」 「助役は?だれがやるの?」 華也は目線を俺に向けた 「あぁコウキが。そうだコウキ、関東支部所属になったみたいだね」 「あ、はいこれからもよろしくお願いがいします」 などと改まった話しをするうちにコウキと華也は少し緊張し始めた。 「たっだいまー!」 ガラガラガラ-- そういう空気を断ち切ってくれるのはやはり女性みたいだ。 「おぅお帰り。遅いじゃないか香須実。イブキと一緒じゃなかったの?」 ヒビキさんが茶々をいれ場を和ませた。 「な、なにいってるんですかヒビキさん!!」 「ははは、そうですよ、な、なにいってるんですか。ねぇ?」 わかりやすい二人だ… 「姉上たちばっかいっつもいつも…。トドロキくんもたまにはどっか連れてってくださいよ!」 「えっ!?僕っすか!?いや~そうっすね…」 ほほえましく声をあげ笑うもの、またかと呆れたように溜め息をつくものみなそれぞれだが、たしかにそこには暖かいなにかが流れていた関東支部の評判がいいのはこういう所からだろう。
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