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「ところで…、イブキくん、またバイク買ったの」
香須実さんが鋭い視線をイブキに向ける。まさしく鬼のように…
「えっ?いや…。なんのこと?」
「たちばなの前に置いてあるあのオフロード型のバイクはなによ!」
「あ~そうだった。いや~言い忘れてたよ…。香須実、あれはイブキくんのじゃないんだ」
ま、まさか…
「コウキ、君が独り立ちすると同時に頼んでいたものだよ」
そうじつはイブキさんやヒビキさんみたいに自分もバイクに乗りたくって申請していたのだ。
「ちょっと外に出ようか」
ついでにみんなもバイクを見物するため外に出た。
「猛士より支給された君専用のバイク“雲竜”だ」
雲竜…。どこでも行けそうな名だ。
「コウキは雷属性なの?」
「あぁやっぱ一撃必殺だから」
「そっか。」
「それよりバイクだ」
小柄な俺は鋭鬼さんのように単独任務が多いだろう。だからバイクを頼んどいたのだ。
「猛士はバイクは基本アメリカンだからね。許可がおりないんじゃないかとヒヤヒヤしたよ」
「ありがとうございます」
「まぁ俺が親戚だったからだな」
多少はそれも関係しているであろう。
結局は本家の力を使っているんだな…
「なんでオフロードタイプにしたんだい?」
バイク好きのイブキさんが言った。
「えぇ、たしかにアメリカンなら背の低い俺でも乗れるからいいんですが…。やっぱりちょっと背伸びしてもこっちの方が山道もいけますし、行動が広がりますから」
「そっか~。俺も一台オフロード系欲しいな…」
イブキさんの後ろで魔化魍より怖い眼をした香須実が睨む。
「いや、三台もあるし、まだまだ“竜巻”には頑張って貰わなきゃ…。はは、はははは」
「イブキ、そういう所は尻に敷かれてるな?」
またヒビキさんの一言で笑いが起きた。
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