第一章 名家

38/88
前へ
/147ページ
次へ
「フゥウー…」 ヒビキは大きく深呼吸して太鼓の前にたった。 ドォン!…ドォン!ドン!ドォンドドンドドォン!--- すごい…。これがヒビキさんの太鼓… いまや一番の太鼓使いといわれてる鬼…。これがオロチを沈めた太鼓か! 「聞くのは始めてか?すごいだろ。ヒビキさんの太鼓。俺なんかまだまだと悟るよ」 「響鬼という名が相応しいですね。響いている…。太鼓を打っているんじゃない。太鼓が鳴っている…。体の中まで染みてくようだ」 気づけば周りの木々や地面。自然そのものの生を感じる。ヒビキさんの太鼓に合わせて周りも… 「俺もなあの人の足元には及ばない。けどな…。俺はあの人の弟子なんだぜ」 そういってキョウキさんはバチをもち太鼓に向かった。 トントントトン!トントコトコトコ--- ヒビキさんにあわせるようにキョウキさんが入った。 二人とも掛け声なしでここまで…! 流石は師弟だ。 ドォンドォンドドォンドォンドドォン--- タタタタタタタトントントトォントトォンタンタン--- 「「ハァアア!」」 ドン!!---
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加