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「やってるな」
そう声がして振り返った。
「キョウキさん…」
「ちょっと休め。ほれ」
そういってマグカップを渡してきた。
「温かいぞ」
カップにコーンポタージュが注がれる。
「まだ飲みたかったらここにコーヒーを置いとくよ」
と言って、キャンプ用のポットとガスバーナー(缶状のを下に取り付ける奴)を置いた。
「まだ起きてたんすか?」
「うるさくてねむれぇよ」
「すいません…」
「まっ俺もヒビキさんの弟子としてついたころはよくこうやって叩いてたよ。実はヒビキさんと一緒に鍛えんの久しぶりなんだぜ」
「えっ?久しぶりであのセッションですか?」
「セッションって…。和太鼓なんだからもっと和風な言い方あったでしょ」
「いや~すいません。でもやっぱすごいすね」
「なにが?」
「師匠も天才なら弟子もっていうか…」
「天才ってなんだよ」
「へ?」
「こういうありきたりでくさい言葉って好きじゃないんだけどさ…。人のこと簡単に天才とかいう半端な言葉で片づけんなよ。まっ人じゃないんだけどさ」
「すんません…。でも」
「ヒビキさんが最初から全てうまくいってたわけじゃねぇよ。師匠がいなかったから、人一倍鍛えて鍛えて、何度も壁にぶつかってその度にボロボロになって乗り越えてきた。生身で魔化魍と闘ったこともあるんだぜ?暇さえありゃすぐ鍛えててさ」
初めてきく話しだ…
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