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●愛想をつかした表情でエメルはチェリーの部屋から去っていく。
チェリー
「エメラルドが綺麗だからと言って名づけられたお母様には、名前の意味がちゃんとあるわ。お父様にだって、意味があって継ぐ人間にふさわしい名前よ。もしも、もしも私が平凡な名前だったらどうするの?この家を継げない恥ずかしい名前だったら、どうするつもりだったの?ああ、どうして神様は何も教えてくれないの?」
リルド
「チェリー、起きてるかーい!」
(家の外から大声でチェリーを)
チャリー
「今、今の声はリルドだわ。でも、こんな私が話したって、楽しい事なんて何もない」
リルド
「チェリー、君が家にいることは知ってるよー、チェリー!」
チェリー
「『チェリーなんて名前じゃないんだろ』『ええ、そうよ。それが何か?』この会話はいつもしてきたわ。ねえ、お母様は認めるおつもり?私の名前はチェリーじゃないと。ああ、誰も答えてくれやしない。誰もこの世界にはいないんだわ!」
エメル
「チェリー!リルドが呼んでるよ!早くお行きなさい!」
チェリー
「ああ、お母様、部屋に入るときはせめてノックをしてちょうだい!」
エメル
「何を言っているの?ああ、チェリー。名前なんてどうだっていいじゃないかい。さあ、お行きなさい。リルドがさっきから待っている事には変わりないじゃないかい」
チェりー
「ああ、お母様。乙女の悩みに殿方は不必要、もっとゆっくり悩ませて」
リルド
「いい加減に出てこい、チェリイイイ!!」
チェリー
「きゃああ!解ったわよ!」
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