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次の日、彼の浴びてるだろうシャワーの音を聞きながら目を覚ました。
上がる口元が抑えきれなくて、ふかふかの布団に顔を埋めて。
―――ガチャ
ドアが開いた音に、顔を上げた。
「あ、かめ起きた」
「うん。おはよ」
ちょっと恥ずかしくて、布団を胸まで引き寄せて。
どっかから出してきたスウェットに、髪の毛先から落ちる雫を見てた。
「つーかさ、かめってホモなん?」
ガシガシッとそれを拭きながら、何でもないように聞いてくる。
「んー…そーゆーワケじゃない、けど?」
上目遣いでちょっと見て。
ねぇ、じんは何て言うかな?
「でも慣れてたし」
ベッドの側の棚から何枚かCDを出して、中身を確認しながら。
「ま、いっか。」
その中から1枚を選んで、デッキにセットした。
「気持ちかったし。またヤらせて?」
にやっと子供みたいな笑顔で振り向いたその顔に、泣きそうになった。
……だからキタイ、しちゃダメって……
「だめだよ、」
気づいたら、そう言ってた。
「かず、恋人いるもん」
精一杯な、強がりのウソ。
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