[サイド ストーリー] 好きの温度

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  待ち合わせ場所は取引先の会社。 受け付けで案内された部屋に向かう。 「あそこかな?」 「たぶん」 待ち合わせの10分前。 いい感じ。 「あーっちょっとすみませんっ!!!」 いきなり後ろから、ものすごい勢いで駆けてきたスーツ姿のオトコが 「遅れましたっっすみませんっ」 目指してた部屋に入ると同時に、ビシッと頭を下げた。 「って…あれ?」 キョロキョロ見回してるときに、ぴったし目が合って。 「あの…」 キョトンとした顔が危うくツボりそうになった。 「え?あっ//」 ハッとしたのか、胸ポケットを叩きだして。 「え?ないっ!名刺っ」 お尻のポケットとか、パンパンしだして。 「あっ!あった!!」 マジで嬉しそうな顔する。 「えーと…東済商事の黒沢と申します」 めっちゃ腰の低いヒトで。 「あ、申し遅れました。藤井です」 ほらっ、勇也! 目の端で合図してきた藤井さんに吊られて、頭を下げた。 ―――…調子狂う……‥  
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