[サイド ストーリー] 好きの温度

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  「え?それじゃあモンゴルから?」 「はい!この度めでたく。これがはじめての仕事なんですっ」 ――だから張り切ってんのか―― 「ちょっと、なに話してるの?黒沢?」 カチャッという軽快な音と一緒に入ってきたのは、またキレイな女のヒト。 「あ、すみませんっ」 藤井さんと一緒に立ち上がって、また頭下げて。 名刺は両手で受け取る、と。 どー見てもこのヒトのが目上だよな。 よし。 「それじゃ、今回の…」 藤井さんが好きそうな、“働くオンナ”。 ほら、目がキラキラしてるし。 なんかめっちゃ張り切りそー。 ―――そーだ。藤井さんが張り切るからいけなかったんだ。 それから東済商事に頻繁に出入りするようになったオレ。 仕事に熱心に取り組む“彼”の横顔に惚れたのは、もはや必然。  
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