[サイド ストーリー] 好きの温度

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  Akihiko-side £ove 「あっきー?今夜行ってもいーい?」 彼は可愛い。 「大丈夫ですけど…飯どうします?」 「んー。おれが作るー」 甘えた声が電話口を響かせて。 「え?石田さんが?」 綻ぶ口元を隠すように、ワザとそんなコト言ってみる。 「そ。おれ料理チョー得意だから! ってかあっきー、また“石田さん”って言ったー」 膨れた顔が浮かぶ。 でも笑ってる。 「ごめん………………ゆうや、……」 きっとおれの声も、負けないくらいに甘いんだろうな。 「ふふっ//じゃ、お仕事がんばってー」 ハートが付くくらいに言われて、電話が切れた。 昼休みの短い電話。 家に来るって言っても、ただ食事するだけ。 帰りがけに、ちょっとキスするだけ。 ………小学生並みに健全……… 付き合いはじめて数ヶ月経っても、それは変わる気配すらなかった。  
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