[サイド ストーリー] 好きの温度

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  「好き、です」 まっすぐなアーモンド型の瞳が、痛い。 「でも…まだ早いってゆーか…あの…」 急に弱気になって。 「おれが、抱いてって…言っても?」 覗き込めば、下がった眉尻で見つめられて。 好き、の温度の違い。 おれはそれが我慢できない。 ……高いのはいつだっておれだから。 「もう、帰ります」 でもね? あっきぃだけは離したくなかった。 「あ、駅まで…」 車のキーを掴む彼に、チュッとキスをして。 「大丈夫です。」 思いっきり笑って、バイバイって手を振って。 帰り道、携帯からキミのメモリーを消したのは、単なる気まぐれ。 胸ポケットにお守りみたいに入ってたキミの名刺も、ファイルにしまった。 END ?_  
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