お月さまの向こう側

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  Tatuya-side £ove 正直、ビックリした。 ウチの玄関に居る人は、間違えなくよく知る人なのに。 「たっちゃん…ごめん、」 不細工な、今にも泣き出しそうな顔で立ってるのは、俺の知ってる“亀梨 和也”じゃなくて。 「かめ、…?」 思わず、呼んだ声が掠れた。 …――『女の子になれたらいいのに』 赤西を見つめながら呟いた言葉に …――『かめは十分、女の子じゃん』 無責任にそう言ったのを覚えてる。 小さく頷いて、潤んだ瞳が不安そうに揺れる。 「…こんな格好で、ごめんね」 俺は黙って首を横に振ることしか出来なかった。 「………入って、いい?」 窺うような言葉に 「あ、ごめん」 慌ててかめを中に招き入れるのが精一杯だった。 「ビックリした、よね?」 ふふっと笑ってみせた彼は、ホントにいつも二人で居るときのかめで。 「うん、ちょっと…」 安心するのと同時に、怖くもなった。 だって目の前の彼は余りにも、“女の子”だったから。  
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