お月さまの向こう側

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  Yuya-side £ove ――ピンポーン 夜中、いきなり鳴ったチャイム。 「どなた様ですかー?」 呼び掛けても返事がない。 警戒しながらも細く開けたドアの隙間、見えたのは 「あっきー…?」 息を切らして立ってる彼で。 「あ、の…石田さ…じゃなくて、勇也に言いたいことがあってっ」 一気に捲し立てる彼を、半ば呆然と見てた。 「俺、勇也のこと、…っ好きです」 まっすぐなアーモンド型の瞳。 あのトキは胸に刺さるように痛かったのに。 今は許してしまいそうなくらい優しく感じる。 「なに…今、さら…」 たじろいだ俺がやっと発した言葉に 「今さら、ですけど…」 少しだけ開かれてたドアを、あっきーがそっと開けた。 「もし、許してもらえるなら」 一歩近づくから、一歩下がった。 俺の家なのに、どこに足を置けばいいかも分からないくらいに混乱してる。 こんな瞬間、夢見なかったなんて言ったら嘘だ。  
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