お月さまの向こう側

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  でも見たのはあくまで夢だから… 実際に起こるとちょっと困る。 …や、困りはしないってゆーか。 夢のような瞬間のハズなんだけど。 「だったら…?」 ぴたりと止まった彼を促すように返してみる。 綺麗な黒目に、俺だけが写ってる。 もう何ヶ月も会ってないハズなのに。 もう終わった恋のハズだったのに。 胸はドキドキ鳴りっぱなしだし、息も苦しいし。 …――許したら、だったら…? 「…抱かせて、もらえませんか?」 …――は? 言った本人は、至って真面目な顔で。 だけど、聞いてるこっちとしては何だよそれ、つーか… 「アハハハハッ」 肩の力、抜けた。 完璧、あっきーの勝ち。 「仕方ないなー…いーよ」 近づいて、彼の首に手を回す。 余裕のない表情で、余裕のないキスをされて。 「あっきー、大好き」 やっと好き、が重なった。 そんな感じだった。 END_?  
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