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「やった!涼っ!」
「まだだっ!」
里沙と僕の声が重なった。
軍服の男が天を仰いでいる…
大きく開けた口から何か…煙のようなものが出てきた。
これが…正体か…
僕は銃からマガジンを外し違う銃弾を装填した。
前回、怨念との闘いで使用した液体窒素を改良したものだ。
立て続けに僕は撃った。
しかし…
奴の体を通り抜けてトンネルの壁を凍らせた。
「くそっ…ダメか…」
里沙が僕の前に出た。
「里沙っ!下がれっ!」
里沙は腰から手榴弾を外した。
これも里沙が開発した空気弾だ。
里沙は奴の手前に手榴弾を投げた。
爆発音と共に多量の空気が奴を直撃した。
奴の体…煙の塊みたいな体が飛び散った。
「やったーっ!」
里沙が笑顔を見せた。
次の瞬間、里沙の周りに黒い雲が取り囲んだ。
「里沙っ!」
僕は慌てて駆け寄り雲を払ったが全く手応えがない…
「里沙ーっ!」
里沙の指が少し動いた。
「涼…このまま液体窒素を使って…」
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