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何をバカな事を…
「そんな事できるわけないだろっ!」
里沙は無理して微笑んでいる。
「だって…今日は…私が涼のサポート役だから…」
僕は里沙にまとわりついている黒煙を必死に手で払った。
このままだとこいつ里沙に…
「早く…涼…手遅れになる前に…」
「なんでだよ?なんでそんなに…」
里沙は自分が消滅しても構わないのか?
なぜそこまでやらなきゃならないんだ?
「私ね…リーダーとレイさんが羨ましい…いつも一緒で…助け合って…あんな風に…涼と…」
何て?今何て言ったんだ?
里沙は喋らなくなった。
「里沙…里沙…」
頭の中が真っ白になった。
ちょうどあの時のように…
校舎の屋上はうっすらと雪化粧をしていた。
僕の足跡が手すりまで続いた。
空も校庭も…僕の視界全てが真っ白になった。
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