刃伝ー継ぐ者

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ダンテ(誰だ...) ダンテが天井を見上げる。 ダンテ(俺らから見て下の世代であるアモンを筆頭に...世界政府軍事機関第零部隊のルチアか...番外にしてマフィアの『デスペラード』のドンのマルコか...はたまた軍事国家率いるアレキサンダー王か...やんちゃ坊のオルガが掻き乱したおかげで...この世代も十二分に熟したと言えるな…) ダンテが目を閉じる。 ダンテ(息子世代からは一強のジン坊を筆頭に...軍事機関の『双璧』か...侍乙女の『三刃』からか...それとも、去年賑わせた学院の『六花』の誰かか...はたまたジン坊のとこの神竜級の手前の『八大竜王』のドラゴンからか...意外なところの無所属にして次回の『抑止力』候補に名を連ねている『九将星』か...忘れちゃなんねぇかの帝国連合率いる『十一闘騎』か…『冒険者組合』、『鉄血戦線』、『祝福者』のドイツが来てもおかしくはない...。聞かん坊のアキオが...良い感じにこの世代を刺激してくれた...) ダンテが深い溜息をする。 ダンテ(あらかじめ忍ばせておいた我が子供達『月組』...ユウゴやゼノヴィア...更には他の連中が密かに温存し...叩き上げた隠し子共...。そこに実の息子たるネロが入り込み...世界は乱れ狂うに違いない...。どちらの世代も面白みがあって申し分無い...) ダンテが身体を起こして両手を顔の前に揃える。 ダンテ(世界政府が淘汰された今...アウトローの奴らが逆に好き放題出来る世の中と化した...。『抑止力』という圧を抱えながらも...『番外』...『十禍』...『業魔』…『十二使徒』が闊歩の足を止められずにいる...。俺が居なかった三ヶ月...たったそれだけの空白で取り返しのつかない状態にまで悪化したこの世界...) ダンテがニヤリと笑う。 ダンテ(面白すぎて...愉悦すぎて...爽快すぎてニヤけが止まらん...!) ダンテが足を組みゆったりと玉座に座り構える。 ダンテ「誰が最初にこの玉座に来て、ドイツが俺と戦い、何者がこの覇王の玉座を奪いに来るのやら...待ち遠しくて堪らんな。今やまるで勇者を待たんとする魔王の気分とも言えよう。さあ...来るが良い...誰でも良いから...この覇王を楽しませ、我こそが次代の覇王になるという野心を持って...殺して見せよ『世界』を」
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