六章 伝説と降臨者

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  ダンテ「暑いな…」 まゆり「暑いのだ…」 ミーナ「火山地区は砂漠地帯なんかよりもずっと暑いの。ってか、船に乗る前に説明したでしょっ」 キスケ「予想外の暑さです…」 ルーク「この暑さの中で戦ってこれた人は少ないんだよね…」 ミーナ「防具をつけながらの長期戦は正直言って生き地獄よ。だから、これ飲んどきなさい」 ミーナが青色の玉を取り出す。 ダンテ「なんだそりゃ?」 セラ「『青玉』っす。飲んだだけで、体内だけ極寒にいるような感じに襲われる代物っす。成分は汗を氷にしてしまうほどの冷気を放つヤリタラの角と…」 まゆり「暑いんだから長ったらしい話をするな…。頭が回らないのだ…」 ダンテ「つまり、飲めば暑さを感じないってワケか」 セラ「通常の陸で飲んだら、凍死する恐れもあるっすけど、こういう地区で飲めば、いつも通りの戦いが出来るっす」 キスケ「なるほど…。考え出した人は素晴らしいですね…」 ミーナは青玉をダンテ達に渡す。 ダンテ達は青玉を口に入れ飲み込む。 まゆり「うぅっ…。一瞬だが寒気が…」 キスケ「ですが、暑さがあまり感じられなくなりましたね…」 ダンテ「まあ、“生物”相手に体力が無きゃ元も子もないからな」 ミーナ「あの火山よ」 ミーナが指をさす方向には、天までそびえ立たんと言わんばかりの火山があった。 まゆり「デカいのだ…」 キスケ「まさか、てっぺんに行くんですか!?」 ルーク「イヤイヤ、途中の窪みまでだから大丈夫だよ」 ダンテ「かなり距離があるのにも関わらず、この暑さなのかよ…?」 ミーナ「最も危険な地区かもしれないわ。戦いにくさも含めたら、帝国地区の近くよりもね」 ダンテ「そこに住み着ける“生物”もどうかしてるよな…」 ミーナ「そういうふうに進化してきたとか遺跡に書いてあったんじゃないの?」 ダンテ「あ…あれはだな…」 キスケ「主…?」 まゆり「まさか…壁に触れたあの時に、全てを知ったのではないのか…?」 ダンテ「それはぁ…なんとも言えないんだなこれが…」 ミーナ「はぁ?」 ルーク「どういう意味ダンテ兄ちゃん?」 ダンテ「微妙…って言葉が一番あってるんだよなこれがさ…」  
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