六章 伝説と降臨者

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  ヤマト「……」 フット「お…おいどうしたんだあのデコ広は…?」 ミケ「それがねぇ…いろいろあるんだよねこれがさ…」 フット「よく分からねぇな…。珍しいこともあるもんだ」 ヤマト(初代は…この地で修行して強くなった…。そして…初代の作り上げてくれた『夜刀神一族』は…今や壊滅状態…。俺は…一族を抜けた身…。帰ったところで…) カスミ「ヤマト様…」 ヤマト「あん…?」 カスミ「お隣よろしいでしょうか…?」 カスミはヤマトの隣に座る。 カスミ「…拙者はヤマト様が何をお考えか存じませんが…今までにないくらいにお悩みですね…?」 ヤマト「…そうかもしれんな……。心配させて悪かったなカスミ…」 カスミ「いえ…。ヤマト様とは長いお付き合いですから、構いませんよ」 ヤマト「そう言ってくれると嬉しいもんぜよ…」 カスミ「一族のことですか…?」 ヤマト「……」 カスミ「あの…ヤマト様…」 ヤマト「なんじゃ…?」 カスミ「帰ったら…全て終わらせて、和の国に戻って…」 ヤマト「止めんか」 カスミ「ヤマト様…?」 ヤマト「俺は自分で一族から抜けたんじゃ。もう…俺は『夜刀神一族』に関わらないんじゃ」 カスミ「ヤマト様…ですが、御存知の通り、父方も兄方もお亡くなりになられた以上、次期頭首はヤマト様です…!やはり、戻って…」 ヤマト「カスミ…もう言うな」 カスミ「ヤマト様…」 ヤマト「俺が未練タラタラみたいじゃねぇかよ…。俺の決心を壊そうとするな…」 ミケ「よく分からないけど…大変なことになってるみたいだねぇ」 フット「一族とか言ってたけど、なんかの偉い貴族とかなのか?」 ミケ「さぁー」 フット「さぁーってお前なぁ…」 ミケ「彼らは、僕らじゃ分からない世界を生きてきたんだよ」 フット「どういう世界だよ?」 ミケ「人間観で…僕らの生活なんかよりもずぅっっと厳しい世界だよ…」 フット「俺にはよく分かんねぇよ。船飛ばすことしか能にねぇからよ。だが…あんな小さいのが辛い思いをしてるって思うと…こっちまで心が痛むぜちきしょう…」 フット「まだ小さいのにね」 ヤマト「お主らなぁ…さっきから小さい小さいって言わせておけばっ…!」 フット「聞いてやがったか?」 ヤマト「こんの…」 ミケ「見えてきたよ遺跡」 ヤマト「ぐっ…。分かったぜよ」  
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