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ラグーン某国 防衛城
城一帯には多くの鎧兜を身に纏った老若男女の兵隊達が居た。
防衛城の前では、巨大な竜が接近して来ていた。
厚い皮に身を纏い、棘に覆われた城や山よりも大きい巨大な竜が地面スレスレを飛んでいた。竜の体には、兵隊達がやったと思われる槍や矢や剣がいたるところに刺さってはいたが、巨大な竜にはあまり効果は無いようである。
防衛城の上にて、巨大な竜に対し弓矢を必死に放つひとりの女がいた。
兜から垂れている金の髪は肩くらいまでしか伸びてないと思われ、右目を前髪で隠している。吊り目が特徴である。その鎧にはススや傷が多く、今までの力戦を物語っている。
女「ぐっ…!」
その女にひとりの若い少年が近付いてくる。
女同様に、ススだらけの鎧と兜を身に纏い、兜から垂れている緑の髪はサラサラで肩よりも伸びている。まだ幼い少年には不向きな剣を背中に背負っていた。
少年「ミーナっ!6番隊と9番隊が逃げ出したよ!これで戦う兵が半分に…」
ミーナ「うるさいわねっ!数が問題じゃないわよ!とにかく…最低限でも撃退しなくちゃダメなのルーク!」
ミーナはルークの方を見ずに、更に矢を放ち続ける。
巨大な竜がゆっくり立ち上がると吠える!
ミーナ「うっ…!なんてバカデカい鳴き声なのよっ…!」
兵隊達が巨大な竜の鳴き声により、耳を塞いでしまう!
その時、曇天の空が唸りだす!
ミーナ「な…なに…!?一体、なんだっていうの…!?」
白い神々しい光が空を包む!
眩しい光を放つとひとりの青年が地面に降り立つ!
青年はスラッとした背丈で黒い髪、黒い瞳をしていてかなり整った顔立ちをしていた。髪を短く後ろでひとつ束ねていた。炎の柄の書かれた白い衣を着こなし、腰には2本の刀がしてあった。
ミーナ「ア…アレは…何…!?」
ルーク「神様…なの…!?」
青年「ふぅー…。此処が別世界の『ラグーン』か…?聞いた通りの綺麗な世界…とは言えないようだな…」
青年が巨大な竜の前に立ち塞がる!
青年「デカいな…。本当に竜の住む世界みたいだな…?コレが武力が納める世界ってワケか…」
ミーナ「なんで…なんで竜の鳴き声を聞いてアイツは普通に立っているの…!?」
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