井村屋日記①

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『今日もダルい』 by井村屋 今日も朝からバターのヤツがやかましい。 たたき起こされると、パトロールに行くよう指示された。 時刻を見ると05:30だ。 神経を疑う。 渋々パトロールを済ませ、帰宅するとジャムが朝食にとハニートーストを作っている。 俺は朝はご飯派だと何回言えば解るんだ? しかも朝からそんな甘ったるいものが食えるか。 そろそろコイツの介護が必要だと思うと気が重い。 「大変だぁ!街でバイ菌男が暴れている!」 カレーが慌てた様子で現れる。 ならお前がなんとかしろよ。 「カバ子を人質にとられて、手が出せないんだ!」 「なんだって!」 心底どうでもいい。 カレーに先導され、バイ菌男に会いに行く。 なるほど…マシンの手の中にカバ子がいる。 「アンパン!これならお前も手が出せないだろ!」 問答無用でアンパンチ。 バイ菌男とカバ子は星になる。 カレーが何か言いたげだったが、俺がカレーを見ると目を反らした。 意見があるなら言えよ。うだつの上がらないヤツだ。 工場に帰るとジャムがまだハニートーストを生産している。 ついにボケたか? バターが疲れきった俺に対し、お使いを命じる。 マント貸してやるからお前が行けよ。 お使いの内容はタマネギとニンジンとジャガイモと豚肉だ。 何を作るかが容易に解る。 カレーもすぐに察知して喜んでいる。 すこぶる気に食わない。 うっかり牛肉としらたきと豆腐と長ネギを買ってくる。 今夜はスキヤキだ。 こうして今日も工場には平和が訪れた。 部屋の隅でカレーが泣いているのが、目障りだ。  
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