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『今日もダルい』
by井村屋
今日も朝からバターのヤツがやかましい。
たたき起こされると、パトロールに行くよう指示された。
時刻を見ると05:30だ。
神経を疑う。
渋々パトロールを済ませ、帰宅するとジャムが朝食にとハニートーストを作っている。
俺は朝はご飯派だと何回言えば解るんだ?
しかも朝からそんな甘ったるいものが食えるか。
そろそろコイツの介護が必要だと思うと気が重い。
「大変だぁ!街でバイ菌男が暴れている!」
カレーが慌てた様子で現れる。
ならお前がなんとかしろよ。
「カバ子を人質にとられて、手が出せないんだ!」
「なんだって!」
心底どうでもいい。
カレーに先導され、バイ菌男に会いに行く。
なるほど…マシンの手の中にカバ子がいる。
「アンパン!これならお前も手が出せないだろ!」
問答無用でアンパンチ。
バイ菌男とカバ子は星になる。
カレーが何か言いたげだったが、俺がカレーを見ると目を反らした。
意見があるなら言えよ。うだつの上がらないヤツだ。
工場に帰るとジャムがまだハニートーストを生産している。
ついにボケたか?
バターが疲れきった俺に対し、お使いを命じる。
マント貸してやるからお前が行けよ。
お使いの内容はタマネギとニンジンとジャガイモと豚肉だ。
何を作るかが容易に解る。
カレーもすぐに察知して喜んでいる。
すこぶる気に食わない。
うっかり牛肉としらたきと豆腐と長ネギを買ってくる。
今夜はスキヤキだ。
こうして今日も工場には平和が訪れた。
部屋の隅でカレーが泣いているのが、目障りだ。
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