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春の風。
魔力の元素が風にのせられて眼に見えるように光る時期。
それが『学園の入学式』。
校長の長い話があると生徒たちがブラックオーラを放つ体育館の中でゆっくりと舞台に上る赤髪の男。
制服のようで軍人のような青い色の服を身に纏い、赤く鋭い目に眼鏡を付けている。
「私が校長のルーク・サークルです。っと言いましてもまだ26ですので長いお話はしませんよ」
とにっこりと笑う。
「では、皆さん。学園生活を楽しんでください。以上、ルーク学園校長ルーク・サークル」
最後にまたにっこりと笑い舞台から降りていった。
入学式を終えると学園はあの校長の話題で盛り上がっていた。
その盛り上がっていた中に一人だけ顔をしかめている男がいた。
レイン・サーベル
漆黒の短髪に真っ黒な目。それだけで記憶に残ってしまう。
レインはそんな顔をしたままゆっくりとクラスに歩いていく。
クラスは校長が決めるらしく魔力の元素を操作して一人一人の頭にその人のクラスを流しこむ。
レインもそれが来てクラスの位置までも流されていた。
「…Cクラスか。あの人はなにを考えてるだか…」
とレインは自分をこの魔術学園に通わせて、何かを企んでいるような笑顔を見せるその人の顔を浮かべて無性に腹を立てた。
「あの腹黒魔術師。オレへの嫌がらせしか思えない」
そんな愚痴を言いながらCクラスへと足を進めた。
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