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「潘符先生。趙(ちょう)司孔参りました」
「入りなさい」
「はい」
そろそろと司孔が部屋に入ると部屋の中には先客がいた。
武玄條(ぶ・げんじょう)。
潘符のもう1人の門下生だ。
「さて…2人に来てもらったのはもちろんわけがある。この密書を東国の楊惟(ようい)様に届けて欲しいと言うものだ」
「楊惟様というと…岱献城(たいけんじょう)城主の…でしょうか?」
「そうだ玄條。あぁ、黄干(こうう)殿と李璋(りしょう)殿の2人には護衛に就いてもらう」
「え?2人なのですか?」
「そうだ。我が軍は北方で交戦中だ。確かに2人は親使と言う形であるが今、ここの兵力を減らしてしまうとただでさえ手薄のこの城の警護がさらに薄くなってしまう。だから剣の名手である黄干殿と弓の名手である李璋殿を護衛につけたのだ。この2人なら2人をしっかり守ってくれると判断したのだよ」
「はい。わかりました」
司孔は頷いた。
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