第5章 ユリの過去

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物心つく頃には、 すでに夜中の留守番は始まっていた。 暗闇をひとりで過ごし、朝方に酒の匂いがキツい母親が帰ってくる。 ヘトヘトに疲れた母親は、娘の寝顔を見ることなく、 ソファーに倒れ込む。 寂しい思いをしていたあたしは、 中学生になる頃、 徐々に自分が変わって行くのを感じていた。
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