第5章 ユリの過去

16/31
前へ
/291ページ
次へ
「ユリちゃん…?」 男が確かめるように あたしの名を呼んだ。 「はい!ゆりでぇす♪こんばんは」 あたしは慣れた口調で答えながらニコッとした。 「…ホンマに来てくれるとは…ユリちゃん、可愛いなぁ!ホンマに17歳?!」男は目を輝かせながら、あたしの体を下から上へ舐めるように見る。 「なぁ、はよ行こ?朝までには帰らなあかんねん」 そう言いながら自分から男の腕に手を絡めた。 35歳を越えたこの男は、あたしの体が触れるだけで、 ニンマリした顔を隠せないようだ。 そのまま腕を絡ませ、男とあたしは夜の街に消えて行く…
/291ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4900人が本棚に入れています
本棚に追加