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「ありがとうございました……。」
ネリアはもう1度お礼を言うと、顔を上げた。
涙はもう止まっており、その顔は笑っていた。
「……うん。じゃあガルダとリースを見に行こう。二人とももう終わってるよ。」
ゼノムが微笑みそう言うと、ネリアは後ろを振り向いた。
後ろではガルダとリースとカイネルが立っていた。
皆、ネリアが泣き止むのを待ってくれていたのだ。
ネリアは先程までの自分を見られていたと気付き、恥ずかしくなる。
「……どうしたの?」
ゼノムがネリアの顔を覗き込む。
「な、なんでもないです。」
ネリアは顔を真っ赤にしながら首を横に振る。
「……そっか。じゃあ行こう。」
ゼノムはネリアの手を掴むと三人のもとへ走っていった。
ネリアは走りながら、俯いていた。
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