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買ってきたお人形の安っぽい金髪が気に入らなくて、全部引き抜いて丸坊主にした。
その後で少し可哀相になって、ごめんねごめんねって言いながら、私の黒い髪を空いた毛穴に一本々々埋め込んだ。
その日の夜、お人形が言った。
「私に本当の髪の毛をくれてありがとう。これで私は、もうひとりのあなた。あなたの想いを物語にする、黒い髪の語り部になりましょう。」
そして、お人形は語り始めた。
やめて。話さないで。こんな話、私は聞きたくない…。
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