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空色のドロップ
「さぁ、次の星に着いたぞ。この星は空がとっても綺麗なんだ」
「そうね!とっても綺麗ね!まるで吸い込まれてしまいそうな空だわ」と空を見上げたままお姫さまは言いました。
しばらくしてお姫さまが口を開きました。
「この星には誰も住んでいないのかしら?」
「いや、青年が独り住んでいるよ…ほら!あの丘の上に座り込んでいる彼だ。ずっとああして空を見上げて暮らしている」
「変わった人ね。退屈じゃないのかしら?可哀相な人」
「可哀相?楽しくはないかも知れないけど、彼は美しいものだけを見ていられて幸せなんだろうよ」
「それはそうかもしれないけど空だっていつも綺麗なわけないじゃない」
「彼にとっては雨空さえ美しいんだよ。好きっていうのはそういう事なんだ」
「へ~、好きって大変なのね」
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